ジュノーは火星と木星の間に横たわる小惑星帯の中にある、太陽系小惑星のひとつです。より原音に近い形の「ユノ」や「ユノー」と表記されることもあります。1804年9月にドイツの天文学者カール・ハーディングによって発見されました。小惑星帯の中ではケレス(2006年以降は準惑星となる)、パラスに次いで3番目に発見された小惑星です。
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ジュノーの大きさ
ジュノーの直径は約234キロメートルと小惑星の中では最大の大きさとなります。ケレス、パラス、ベスタそしてジュノーの4つは四大小惑星と呼ばれることもあります。ただ、現在ではこれら4つの天体以外にジュノーより大きな小惑星がいくつも見つかっているため、ジュノーは小惑星帯の中で4番目に大きい、というわけではありません。
ジュノーの構成物質
ジュノーはS型小惑星に分類されています。S型小惑星とはケイ酸鉄やケイ酸マグネシウムなどの石質の物質を主成分とする小惑星のことを言います。比較的明るい外観をしており、同じ場所でS型小惑星は他にもイトカワなどがあります。ジュノーは初めて発見されたS型小惑星なのです。ジュノーから放たれる光を解析した結果、ジュノー本体はカンラン石や輝石など鉄を含む物質で形成されたコンドライトでできていると考えられています。コンドライトは隕石の一種で、46億年前に太陽系ができた当時そのままの形をしています。ジュノーを解析すれば、太陽系ができた頃の謎を解くことができるかもしれませんね。
ジュノーのクレーター
2003年にアメリカロサンゼルスにあるウィルソン天文台のフッカー反射望遠鏡がジュノーを撮影し、その奇妙な形状の姿を捉えました。赤外線写真によると、ジュノーの表面には直径100キロメートルはある巨大なクレーターが存在しました。このクレーターは比較的最近の衝突でできたものと考えられています。この衝突の時にジュノーから飛び出した破片と思われる小さな小惑星の集まりをジュノー族と呼びます。
アルマ望遠鏡によるジュノーの解析
2014年10月19日にアルマ望遠鏡によって4時間にわたるジュノーの観測が行われました。この時のジュノーと地球の距離は約3億キロメートル。ジュノーは7.2時間で自転することが知られていますが、撮影された10枚の画像からは、いびつな形をしたジュノーが自転する様子がはっきりと捉えられていました。電波観測でこれだけ詳細に小惑星の姿を捉えたのは初めてでした。このアルマ望遠鏡の観測により、ジュノーの表面が一様でないことが分かりました。一般に天体の表面では太陽に照らされる昼側の面の温度が上がり、強い電波を発します。天体が自転している場合、この電波の強い場所は時間とともに移動していきます。ジュノーでは観測し始めた直後は正午を少し過ぎたあたりが最も電波が強かったのですが、観測終盤では正午が最も電波が強くなったのです。これは正午を迎えた時に温度が最も高くなり、その後時間が経つとすぐに冷えて電波が弱くなっていることを示しているのです。
西洋占星術におけるジュノー
西洋占星術においてジュノーは人間関係や権利の主張を意味します。強く権利を主張したり相手の弱点をついたりします。ジュノーは大神ゼウスの正妻ヘラを指しています。ゼウス神は浮気性で、何人もの愛人がいたのですが、ヘラはそんなゼウス神と決して離婚しようとはせず、正妻の権利を主張し浮気相手や不倫相手に制裁を加えてきました。このようなことから、ジュノーが夫婦関係に絡むと長続きはするものの問題が多いことを表しています。